こんにちは,同志社大学大学院 知的機構研究室の林容央です.

2023年6月6日(火)から6月9日(金)に開催された2023年度人工知能学会全国大会(JSAI2023)に参加し,口頭発表を行ったレポートを報告いたします.

今年のJSAIは,熊本城ホールとオンラインのハイブリットで開催されました.現地会場は空港からバスで約50分の場所にあり,周辺にはホテルや飲食店も多くとても便利な場所でした.現地での参加者も多く,セッションによっては会場が満員になるほど賑わっていました.

「AIと社会」セッションでの発表

私は大会二日目に学外で初めて口頭発表を行いました.現地とオンラインを合わせると約30人の前での発表でした.事前に練習していたため,本番ではあまり緊張せずに発表できました.発表後には,この先行ってみると面白い意見を頂きました.ありがとうございました.

発表タイトル: 研究者の活動可視化に向けたウェブページの多クラス分類

著者:林容央、桂井麻里衣(同志社大学)

研究内容:ある特定の分野の専門家を見つけることは困難であり,多くの研究者の活動を追跡するには労力を要す.研究者の業績や関連トピックを書誌情報からまとめる研究はあるものの,研究者の専門的なキャリアに関する活動情報は,ウェブページに散在している.本論文では,そのような研究者の活動を取集するため,研究者関連ウェブページの多クラス分類を行う.ウェブページの本文テキストとURLテキストをそれぞれ事前学習された埋め込みモデルに基づく異なるニューラルネットワークを活用したモデルを提案する.構築した日本の研究者のデータセットにおいて,ベースライン手法と提案手法との性能を比較し,ウェブページ本文の特徴抽出とURL文字列の特徴抽出の組合せが有効であることを示した.

企業ブース

50を超える企業さんがブースを開かれていました.企業内で開発した技術のデモやポスター発表などを聞くことができました.印象に残っているのは,無人コンビニの実現に向けて,人が手を伸ばした商品を監視カメラの映像から推測するデモを実際に体験したことと,ECサイトで実際に使用されている商品のリコメンド手法のポスター発表です.現在企業の説明会は,ウェブ開催が多いですが,対面で社員さんと話すことで,働いている人の雰囲気をより感じ取れました.

口頭発表

口頭発表の会場は20以上あり,様々なトピックの発表がありました.中でも,私は言語メディア処理に興味があったので,そのトピックの発表を回りました.発表では,自分が研究で使用している言語モデルの研究があり,今後試してみたい手法なども見つけられました.また,今年の3月に電子情報通信学会で発表されていた方が,JSAIでも発表されていて,その研究の進捗を知れたのも面白かったです.

ポスターセッション

ポスター発表も大盛況でした.口頭発表と比べて,発表者と質問がしやすかったです.また,学生の発表者よりも企業の研究者が多かった印象です.企業が取り組んでいる研究や,自分の研究と類似した内容のものもありました.

熊本城

会場から徒歩10-15分で行けたので,空き時間を見つけて観光しました.2016年の熊本地震の被害を受け,現在も石垣などの復旧工事中でしたが,天守閣は綺麗に見えました.

最後に

企業ブースやポスターセッションでは多くの方とお話しすることができ,有意義な学会参加となりました. 今回の学会での発表やブース運営に携わってくださった方々に感謝いたします.

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